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503

34年目の真実

  • Posted by: sakai
  • 2025.03.19 12:12
  • column

この時期は花粉症の話題を振ってしまうことが多いが、どうやら杉は少し前がピークという話を聞いた。

でもヒノキもあるのであと1ヶ月ちょいは続く...。

花粉症になったのは高校一年の入学式の日、今から34年前。

まだ世間では花粉症なんて言葉を聞くこともなかった。

山の麓の高校に通うことになったことがきっかけとなったようで、入学式当日に突然鼻水が滝のように止まらなくなった。

16歳、人前で鼻をかむなど許されない年頃なので当然ティッシュなど持ち歩いているはずもなく、体育館での式では鼻をすすりながらも何とか持ち堪えた。

その後はクラスの教室に戻り担任の先生の挨拶を含めたホームルーム。

花粉症の人ならお分かりだろうが、移動中や屋外にいる時よりも室内に入るとブワっと一気に押し寄せる症状...。

花粉症というものを知らない当時の僕はただただ鼻をすすり、何だこれ??と思っていた。

しかし、いよいよ押し寄せる鼻水の波に耐えられなくなり鼻水が顔を出し始めた。

私立の高一のクラスは誰も知り合いがいない完全アウェーの場所のその初日の教室で顔を出した鼻水が見つかれば自分の高校人生は終わるかもしれないし、初日で仇名が決まってしまうかもしれない...。

でも、もうすすっても無理...。

隣りのN君と前の席のS君にティッシュ持っていないかと聞いた。隣りの席のN君がポケットティッシュをくれた。

しかし、シーンした教室で初日に鼻をかむ勇気なんてない。ちょんちょんとおさえることで精一杯だがもう堰を切ったように止めどなく流れてくる鼻水には効果はない。

もう完全に溢れ出した鼻水を晒すわけにはいかないので左手で鼻を覆って隠した。

このままのポーズでずっといるのも時間と共に目立つはずだし、もうどうしようもなくなり仕方なく先生の話しを遮り、左手は鼻を押さえたまま右手を上げて「すみません、トイレに行って来ていいですか?」と。

まあ、何人かはこちらを見るよね...。

先ほど書き忘れたが入学式の初日の教室の後ろには父兄が立ち並んでいる。

その中のどこぞやの母親が「やだ、あの子鼻血じゃない!?」と余計なひと言。

「ちげえよ」と心で舌打ちしつつ教室を出てトイレで思いっきり鼻をかんで超スッキリして何とか事は終了。その後これはこの時期にネタとしてずっと使い続けて来た。昨年までは...。

しかし実は続きがあったのだ。

その続きの話しは幼なじみで同じ高校に通っていて今もOFFに髪切りに来てくれるEちゃんから聞いたのだ。

Eちゃんとは文系と理系とで進んだ方向が違うし、マンモス高で普通科だけで13クラスもあったので、もちろんクラスが同じではないし、隣のクラスになったこともなかった。

続きはこうだ。

「その話し知ってる!」

「誰から聞いたかは忘れたけど、でもちょっと話しが違うかも...」

「それ鼻水って話しじゃなくて、う○ちって聞いたけど...笑」

...。

やっぱり噂はこうやって形を変えて人の印象を左右させるんだな。

仇名付かなくて良かったとか呑気に思ってたけど裏では既に付いていたかも。

おそらくこの誤情報は前の席のS君の仕業だとすぐにピンと来ました。

Eちゃんのクラスに彼女がいたから...。

事実は34年後に知って良かったよ。